非加熱ハチミツについて

一般に販売されているハチミツは、おもに、

製造効率
結晶融解
発酵防止


のため、

ほとんどのものが、加熱処理されている。「ハチミツ」という製品を量産するためには、加熱は、もはや不可欠な工程となっているのだ。

その理由は、

  • ハチミツが柔らかくなり、不純物除去やビン詰めなどの作業性が向上する
  • 結晶したハチミツは敬遠される傾向にあり、どうしても結晶ができたら溶かす必要がある
  • ハチミツが発酵して、酸味が出たり、ビンの蓋が膨らんだりしようものなら、間違いなくクレームが来る

こういう事情がある。

じつは、案外、趣味でミツバチを飼っている人も、気軽に、この加熱処理を行っていたりする。

いくら友人、知人に配るだけだとしても、ゴミや虫が入ってたらマズいので、こまかい網で濾す必要が出てくる。粘度の高いハチミツだと、網を通すのに、ものすごく時間がかかる。ついつい温めたりしたくなるのも、無理ないかもしれない。

だけど、本当にハチミツの価値を落としたくないなら、加熱はやっぱりしちゃいけない。加熱すると、ハチミツに含まれている酵母が死ぬから、もう発酵は起こらない。でも、それだけじゃなく、生のハチミツに含まれる、熱に弱い栄養素すべてが破壊されてしまうんだから。

本物ハチミツは、生きている!

気温が高いと発酵が進み、

★独特の風味(酸味やお酒っぽさ)や形状(泡立ち)が生じる
★気温の変化により結晶する

これが、ほとんど市場に出回らない、本物ハチミツの特徴だ!

心のどこかに、加熱なんて、たいしたことじゃないという気持ちがないだろうか?

加熱によって変化するハチミツの性質を、本当に実感をもって理解できたら、ぜったいにハチミツを加熱しちゃいけないとわかると思うんだけど‥

そういう意味でも、ぜひ一度、本物ハチミツというものと付き合ってみてほしいと思う。