越冬明け全滅群から採蜜するということ

日本ミツバチの採蜜は、いつ、すればいいのか?

けっこうな期間、ずっと悩んできた。

「年に一度、たいていは秋に、
その群れが冬を越せる分くらいは残して採蜜するのがいい」

はじめて知ったときは、
「ふ〜ん、そうか、なるほどね」と、
たしかに思った。

だけど、実際に、日本ミツバチを飼って、
いざ、その時期が来たとき、
私は、何もすることができなかった。

けっして、ハチミツが貯まってなかったから、
というわけじゃない。

採蜜にあたって、その群れに、
どれくらいハチミツを残しておけばいいかと考えた。

でも、そこに貯められているハチミツって、
ミツバチが必要としているから、これだけ貯めたのでは?

そうとしか思えなかった。

私の判断で、そのハチミツを、
ミツバチから取り上げることができなかった。

毎年、毎年、まわりの蜂飼いたちが、
さあ、採蜜だ、採蜜したと、ウキウキしてるころ、
私は、じっと耐えていた。

採蜜してないことがバレませんように・・ (-人-)

ハチミツを採らずにミツバチを飼っていて、気づいたこと

そうやって、みんなが、ふつうにハチミツを採ってる時期に、
ハチミツを採ることなくミツバチを飼っていて、気づいたことがある。

秋の採蜜で、
「越冬できる分くらい残して、蜜を採りましょう」
とか言うけれど、

どれだけたくさん蜜が残っていても、
全滅する群れが出てくるということだ。

越冬前に見たとき、

ハチが元気じゃないとか、ハチの数が少ないというのなら、
越冬できなかったというのもわかる。

けれど、ミツバチもたくさんいたし、
ハチミツも目一杯蓄えていた、そんな群れでも、

冬の間にミツバチが激減してしまって、
春を待たずに全滅したりする群れが一定数あるのだ。

真冬の全滅群が残していくハチミツのすばらしさ!

もしかしたら、ミツバチが死んじゃった巣箱から採れるハチミツなんて、
なんだかな〜って思う人もいるかもしれない。

たしかに、気温の高い時期だと、ハチが少なくなった巣箱には、
すぐにスムシがはびこり、スムシ臭いハチミツを収穫するはめになる。

けれど、真冬ならば大丈夫!

たとえ、ミツバチが全滅したことに気づくのが遅れたとしても、
春のまだ寒い時期のうちに気づけば、スムシも活動していないため、
本当にきれいな状態で貯蜜が残っている。

春から秋まで、蜂たちが、せっせと働いた成果が、
まさに、みっちり詰まった状態の巣を、そっくりそのまま、
ミツバチたちは、置いていってくれる。

感謝しかない  (-人-)

ちょっと前にも「笑われそうなミツバチの飼い方」という記事の中で書いたけど、
Gaia Bees の Michael Thiele 氏は、

「群れが巣箱を離れるか死ぬまで、
ミツバチが生産するハチミツを穫らない」

らしい。

ミツバチにやさしい養蜂をやっていれば、自然と、こうなると思う。
私も、ほぼ、同じことをしている (*^^*)