ミツバチ本を、だれに向けて書いてるのか?

ミツバチそのものを大切にするという飼い方をやっている
一般的な養蜂とは全く違うものになってしまった

「ミツバチを飼ってハチミツを取りたい」

ハチを飼う動機としては、ごく普通なことだ
いきなり「ハチミツを取らない飼い方」なんて聞いたら、
ほとんどの人は、反発したり無視したりするだろう

ハチを飼い始めたばかりのころは、
私だって、ハチミツ取らないなんて、
ミツバチ飼ってる意味ないじゃん!て思ってた

ハチミツを取ることを、夢見ていたというか、
とても楽しみにしていた

でも実際飼ってみると、それ以上に、ミツバチが面白くって、
ミツバチを大切にしたいっていう気持ちが、
どんどんどんどん、大きくなっていってしまった

これが、自分が、
なんでミツバチをずっと飼ってるか?の理由だった
でも、なかなか、これに気づけずにいた

しかも、飼い始めたら、
自分は何かミツバチから頼りにされてるんじゃないか?
と思えるような出来事が、どんどん起きてきた

もしかしたら、私ってミツバチに応援されてる?
って思わざるを得ないようなことが起きてきた

とにかく、ミツバチに関する望みだけは、
不思議なくらい叶ってしまう

ミツバチを飼うために何かしたいと思うと、
なぜか、すぐに実現していった

こんなこと、望みだなんて思いたくないことでも、
望みだったのかなぁと思わされるほどだった

そういうのもあって、
自分はこういうやり方をやろうというのが、
だんだんはっきりしてきた

それで今はもう、
ミツバチを大切にする飼い方一筋になっている

いつまでたっても
前置きみたいな話しかできなくて、
もどかしいけど

ミツバチ本をだれに向けて書いているか?

ミツバチを飼い始める前の人とか
飼い始めたばかりの人には、
たぶん、ほとんど意味がわからないことを言ってる

私が話してるミツバチの飼い方っていうのは、
今のところ、私の身の回りでやってる人も、もちろんいないし、
ネット上で探しても、ほぼ見つからない

断片的に似たようなことをしてるっていうのは
見かけるかもしれないけど、
系統立てた形で見せてくれてるような人はいない

文章でまとめてるとか、映像でまとめてるとか、
そういう人はほぼ見かけない話

本を読んだり、話を聞いたり、映像なんかを繰り返し見たりしてるうちに、
やってないことでも、なんとなく想像つくようになるものだけど、
そういう情報が、あまりにも少ない

なにしろ、私しかやってないから

私の本は、わざと、あまり説明調にしてない
最近は、しゃべり言葉の文章でつくっていて、
するっと読める本にしちゃってる

でも、内容的には、
初心者とか、ハチを飼い始めたばかりの人が読むには、
かなり難解だと思う
おそらく理解できない、ピンとこない

理解できたとしたら、あなた、初心者じゃないですよね?
今度は受け入れてもらえない‥

自分を振り返って思ったのは、
ハチがかわいいとか、そういう気持ちがメインだとしても、
やっぱりハチを飼う経験がないと、あこがれだけでは
ハチについて理解できないことがある

実際ハチを飼い始めて、ちょっとこのやり方、なんかヘン?だとか、
どうも自分には合ってないとか、自分はやりたくないこととか
人それぞれ出てくると思う

そんな疑念が生じたときに、こういう変わった
ミツバチの飼い方をしてる人もいるんだってことで、
私が書いた本を手に取ってもらえればいいなっていう、
そういうような気持ちで書くことにした

なので、
ミツバチを飼い始めたんだけれど、
挫折しちゃった人
とか、

いちおう、ハチを飼ってはいるけど、
なんか、しっくりこないところがある人
とか

こういう人に、私の本を読んでもらいたいのかなと思う

はっきり言っちゃうと、
ミツバチってけっこう飼うの難しい

どんなことにも言えるけど、人によって得意不得意ってあるし、
できそうに見えてできないこととか、あると思う

ミツバチを飼い始めても、
数年で辞めちゃった人もかなりいるだろう

ハチミツたくさん取れると思って飼ったけど、
全然想像とは違ったとか

ハチミツを取るためには、それなりの時間や労力、
やはりハチをしっかり見て、小さな工夫を積み重ねていくとかを
知らず知らずに、あるいは苦なくやっていたりするものだ

ミツバチなんて、ただ巣箱を置いとけば、
まるで郵便受けに郵便が入ってるみたいに、
ちょっと見に行くとハチミツが入ってるみたいな

そういうイメージで飼い始めてる人って、
けっこういるけれど、

それが目当てで、それだけを楽しみに飼い始めると、
たいていは、あっさり辞めちゃうことになる

いっぽうで、今、ハチを飼うことがつづけられてる人、
ミツバチを飼う名人、ミツバチの師匠なんて言われて、
その地域のハチ飼いのあいだで影響力を持ってる方たちがいると思う

それぞれ「我こそは!」という飼い方を伝授していたりして、
本当にミツバチを大切に飼ってる人もいると思うんだけど、
やっぱり収穫物というか、利益優先の人もたくさんいる

ともかく、そんな、
自分に合った無理のない飼い方を、長年の経験の中で見出し、
だからこそ、ハチを飼いつづけることができている人たち
というのもまた、日本各地にいるわけだ

私も、そんな中の一人に入るのかもしれないから、よくわかる
そういう人たちが、自分の飼い方以外の情報に耳を傾けるのって、
なかなかできない
それは、本当によくわかる

でも、私の話していることが、
何かの拍子に、そういった人たちに届いて、

こういうのもアリだなと、取り入れてもらえたとしたら、
それがじつは、すごくうれしいことかもしれない

ほんとうは、そういう人たちに
私の本を読んでもらいたいんだと思う